2008年5月15日木曜日

劇中で演奏されたショパンピアノ曲

夜想曲第20番嬰ハ短調[遺作] - オープニング。ドイツ軍の砲撃を受けるラジオ局で演奏している。

バラード第1番ト短調作品23 - 映画のクライマックス。廃墟のワルシャワでドイツ軍将校ホーゼンフェルト大尉の求めに応じ演奏している。使用ピアノは「Perzina」。

アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調作品22 - エンディング。
「華麗なる大ポロネーズ」の部分をオーケストラ伴奏で演奏している。使用ピアノは「スタインウェイ」。

演奏はいずれもヤーヌシュ・オレイニチャク(ピアノ)、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団(指揮:タデウシュ・ストゥルガラ)

戦場のピアニスト The Pianist





戦場のピアニスト(原題:The Pianist)は2002年の映画である。フランス・ドイツ・ポーランド・イギリスの合作。ナチス・ドイツのポーランド侵攻以後、ワルシャワの廃虚の中を生き抜いたユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記を元にしている。

カンヌ映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞した。また、アメリカのアカデミー賞でも7部門にノミネートされ、うち監督賞、脚本賞、主演男優賞の3部門で受賞。他にも各国で多くの賞を受賞している。

監督はロマン・ポランスキー。アメリカに入国すると逮捕されるため、アカデミー賞の授賞式には出席しなかった。主演のエイドリアン・ブロディはこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞した

また、映画の中でシュピルマンが弾き、象徴的に使われたショパンの夜想曲第20番嬰ハ短調[遺作]がよく知られるようになった。



原作であるノンフィクションは戦争直後のポーランドで「ある都市の死」の書名で1946年に刊行された。冷戦下のポーランドでは、主人公シュピルマンを救ったのが旧敵国のドイツ人では好ましくないため、やむなくオーストリア人としたが、すぐにスターリン派ポーランドにより絶版処分となった。以降、ポーランド国内外で再版されることはなく、1960年代におけるポーランド国内での復刊の試みもポーランド政府による妨害にあい、イギリスで英訳版が出版されたのは1999年になってからであった。\

英題は「The Pianist:The extraordinary story of one man's survival in Warsaw, 1939-1945」。邦訳は2000年に佐藤泰一の翻訳により春秋社より刊行。邦題は当初「ザ・ピアニスト」だったが、2003年の日本での映画公開にあわせて「戦場のピアニスト」に改題された。